鍼灸治療

『治る』というのは、薬や何かの治療法が治しているのではなく、あなた自身の治る力によるものです。例えば擦り傷が出来た時、薬を塗っても絆創膏を貼っても、皮膚の再生能力がなければ治らないのと同じです。

どなたでも治る力は持っています。

症状が続く理由は「治る力が落ちている」ということです。その場合、なにかの療法をやっても一時的には良くなってもすぐ戻ってしまったり、うまく効果がでません。だからこそまずは、治る力が発揮できなくなっているカラダの環境を整えることが大事です。

東洋医学での脈診や腹診は、お身体全体の状態を反映していると考えられている診察方法です。西洋医学での診方の様に心拍数や内臓の状態だけをみているわけではなく、ここから全身の多くの情報を得ています。

不調があるときにはその状態を表す特有の圧痛や脈のパターンがあり、それを確認することで身体の働きのどこがバランスを崩しているかがわかります。

このパターンを示すお腹の圧痛や、脈の乱れを改善するツボを選び鍼やお灸をしていきます。ツボを刺激することでお腹の圧痛が消え、脈が整うことはお身体がバランスよく働き出したことを意味していて、つまりは治る力も本来の能力を取り戻したということになります。

現代医学との一番大きな違いは『未病治』といってまだ病気になっていないものを治す点です。現代医学では検査で異常値が出ない限り病気とはみなされませんが、東洋医学では症状があった段階でバランスが崩れ始めている(未病)と判断し、対処していきます。

バランスの乱れは大きくなれば病気になってしまいますので、その前に手を打てるという点で予防医学ともいわれますし、病院では解決できなかった不調にも対応できるのは、そもそもの成り立ちや考え方が違うからと言えます。

当院の“悩みのタネ”にアプローチするという発想は、この考え方に基づいたものです。

鍼やお灸でツボ刺激を与え、お身体が本来の機能を発揮できるようにすることで、治るためのカラダの土台作りをおこなっていきます。